東ティモールコーヒーと気候変動

先日はPARCICさん主催の、東ティモールの生産者さんを招いたイベントに参加してきました。

 

生産者さんに直接会える機会は滅多とないので、翻訳していただきながら、美味しいコーヒーを育ててもらっていることに感謝の意を、そして「皆さんのコーヒーは僕のお客さんを幸せにしてくれています」とお伝えしました。

 

この日のイベントは「コーヒーの未来」と題して、気候変動がコーヒー生産に与える影響についてお話を伺いました。

 

近年、日本でも雨の降り方が極端だったりしますが、東ティモールの場合はもっと深刻で毎年のように洪水被害が起こっているそうです。

また、乾季と雨季が曖昧で季節ごとの作業の切り替えタイミングがつかみづらいそうです。そのため、気候変動の影響を受けにくい品種への転換や(アナエロのロブスタも!)、コーヒーだけに依存しない作付けなどを模索しているそうです。

 

気候変動の一番の問題は、先進国ほどその影響が小さく、一次産業の割合が多い国ほど大きな影響を受ける、というところにあります。

皮肉なことに、温室効果ガスを多く排出する国ほど影響が少なく、しわ寄せを食らうのはむしろ二酸化炭素をたくさん吸収する森林が豊かな地域であるということです。

 

暗い話が多い中、嬉しい話も聞けました。「コーヒーは我々のアイデンティティである」という言葉です。

仕事を通して自身と地域と仲間に対して誇りを持つことは社会で生きていく上で欠かせないものであり、フェアトレードの意義の一つだと考えるからです。

独立して二十数年の若い国ですが、コーヒーが伝統として根付いていることを嬉しく思いました。

 

ただ、東ティモールでも若者の農業離れが進んでいるそうで、都市部へ働きに出る若者を止めたくはないし複雑だ、ということを話されていました。

日本では既に一次産業の高齢化が絶望的な域に達していますが、東ティモールではこれからといったところ。美味しいコーヒーを作り続けてもらうために何ができるか、一緒に考えていきたいものです。

 

caffè micioがスタートした当初から一番長いお付き合いであり、オーガニック&フェアトレードコーヒー屋へと大きく方向転換したきっかけを与えてくれた東ティモールコーヒー。

これからも美味しくお届けしていきたいと思います☺︎

 

 

写真はコカマウ協同組合のジュリオさんとネルソンさんと僕。

なんでダブルピースやねん。